柔らかくて沈みそうなソファーに美耶子と座り、


座った時、ワンピースの丈が短く、膝が見えてしまったことを後悔しながら、


目の前で、余裕で水割りを作るしぐさ、

グラスを持つ長い指先に

また、見とれてしまった。


「はい、どうぞ、美耶子さん、実さん」


私と美耶子に水割りを手渡し、ニコリと笑みを返す。

やーーーっぱり、違うわよっ!


何度も言うケド、
本当に市居くん?!って思うほど、
ホストが板についてる!


彼の姿を見て
なんだか、少し、落ち込んでしまう自分・・・・


こんな彼に惹かれる女の子は多いだろうな・・・・


「どうしたの?実さん、浮かないカオして・・・
俺の誕生日なのに、なんだか、淋しいなぁ」


って、
言うコトバまで、違くないっ?!


「あ、いや、ね、ホストクラブなんて初めてだから緊張しちゃって、ははっ」


そんな私の隣で、作ってもらった水割りをグイグイ飲む美耶子。


「み、美耶子、ペースはやっ!」


「市居珠樹っ!
おかわりぃ~♪」


上機嫌で飲んだグラスを
テーブルに置く。


その場その場で、それなりに楽しむ美耶子が正直羨ましい。


「美耶子っ、ココじゃ、ミズキくんよっ」


こんどは、私が美耶子の腕を突く。


「ははっ、いーですよ、別に。
おかわり作るんでグラス失礼します」


そう言って、
空いたグラスを持つしぐさも手慣れたモノ。


「ねぇ、今日は主役でしょ?こんなところに座ってていいの?」


「大丈夫です。
まだ時間早いですから。常連さんは、もう少し後に来出すので」


口元を緩ませ、
水割りを作りながら、
私の問いに答えた


「ふーん、そうなんだ。
あ、そうだっ」