美容院を出て、美耶子との待ち合わせの場所に急ぐ。
慣れないヒールと、ドレスによろめきながら
ようやく辿り着いた。
やっぱり、美耶子は、不機嫌だった。
「おっそーい! 15分遅刻ぅー 何か奢りなさいよぉ 実ぃ」
「わかったってばぁ、はーーっ」
胸を擦り、息を整えながら、美耶子の姿をみた。
黒のレースのワンピースドレスは、胸元が見えそうなくらい開いてる。
「ちょ、美耶子、すごっ! お色気たっぷりだよっ」
「ふふーん、私も満更でもないっしょ!」
ニヤリと笑みを零し、スタスタと歩き出した。
「ちょ、ちょっとー、もう少しゆっくり歩いてよー」
30過ぎると、体力がもたないわ