カフェには


まだ皆が揃っていた。


「隼人、おっそーい!
みんな待ってたけど
先に食べたわよー」


俺に気付いた由梨が
手を振りながら言った。


「あぁ、ワリィな」


俺は珠樹の傍に行き、


「珠樹、ちょっと話あるんだけど、いいか?」


「あ?あぁ…」


持ってたカップをテーブルに置き、
立ち上がろうとしたが


「あ、ここでいーよ
お前もいーだろ?
この際、ハッキリさせとかないとダメだろ?」


俺の言う意味を即座に理解し、
一瞬、珠樹の眉が上がり躊躇したようだったが、
再び椅子に座った。


俺も珠樹の向かいに座り、


「さっき、木村先生んとこ行って、話聞いてきた。

お前、実さんのコト、
本気なんだよな?」


同じテーブルで、化粧直しをしていた由梨に視線をやり、すぐに珠樹を見た。


「あぁ・・・本気だよ」


珠樹の瞳は真剣だった。


「そっか、わかった
どうしてもお前の口からちゃんと聞きたかったから・・・

お前、ちゃんと実さんのこと大事にしろよ!

泣かしたら、すぐに俺がもらうからな!」


「ったりめーだろ?!」


「それから!
きちんと、実さんに気持ち伝えろよっ!

肝心なとこ、抜けるからなお前は」


「わかってるよ!」


珠樹の瞳がさらに
本気だということを語っていた。


すると


ガタンっ


由梨が椅子から立ち上がりバックを掴んで
何も言わず、
その場を立ち去る。


「由梨っ!」


理子が由梨の名を呼び、
追いかける


身をのりだし2人の姿を目線だけで追う珠樹。


「珠樹、由梨は俺に任せろ
お前が出るとややこしくなるから」


「ワリィ、隼人」


仕方がないよな


由梨には酷なことだったけど・・・