コンコン
「はーい、開いてるわよー」
木村先生の声を確認し、ドアを開ける。
すると、
窓際に資料を片手にメガネをかけた先生がいた。
「来たわね」
メガネを外し、机の上に置くと、
「アンタねぇー 実に何やってんのよっ!」
持っていた資料で俺の頭をポンと叩く。
「何って、俺の愛情表現ってゆーか・・・」
上から木村先生を見下ろして言った。
「はぁー、」
大きくため息をついた先生。
「アンタって今までオンナに不自由してなかったでしょ?」
「えぇ、まぁ・・・」
「簡単に手に入っていたモノが、なかなか手に入らないからイラついてるし、
自分のモノにならないとわかったから、よけいに手に入れたいと思ってんでしょ?」
腕組みしながら
俺を睨むように言う先生。
図星だ。
先生には適わない。
俺は、何も反論できなかった。
「私にしてみれば、おもちゃを買ってもらえない子供が地団駄踏んでるように見えるわ。
イケメンだからって
オンナはそう簡単に落ちないわよ
残念だけど、実は諦めなさい
それとも
市居くんのように、実のすべてを受け止めれる?」
「全て・・・?」