みんな、それぞれ、


思うようにいかないことに悩んでいる。


口に出さなくたって、
1年の時から一緒にいる仲間だから、
哲弥もあえて何も言わなかった。


でも、


ランチを食べる手を止め、

「俺だって、悩みはあるんだぜっ!
だけど、下向いてたって何も見えねぇじゃんっ!

ちゃんとカオ上げて、笑ってれば、
何か見つかるし、
道開けてくるぜっ!

どうしても、ツラかったら、吐き出せよな?

そのための仲間だろ?!
1年ときから、
今まで付き合ってンだからよ

あと数ヶ月しか一緒にいられないんだら
いいカオして、みんなで卒業しようぜっ」


そう哲弥は、真顔でみんなに言った。


ただのサッカー野郎かと思ってたけど、
ちゃーんと大人じゃん、コイツ。

カッケーよな、哲弥。


「そうだな・・・」


哲弥の言葉に頷き、俺は珠樹を見た。


珠樹も俺に視線を向け、
頷いた。