【隼人side】
珠樹と実さんが住むマンションでのあの出来事から
珠樹とは、話していない。
俺は、薄々感じてた。
珠樹が実さんを好きになってるって。
だけど、俺だって・・・
実さんが熱を出して
珠樹に車を出せと呼び出された時、
フラフラなくせに、
病院から仕事へ行くという彼女の意思の強い瞳と、
特別に美人じゃないけれど、
細くて小っせぇクセに意外と出るとこ出てる身体。
熱で頬も胸元も
蒸気したようにピンク色になった肌が、
今まで出会ったどのオンナより色っぽくて…
俺は一目で惚れた。
今まで、
俺はオンナには、
不自由したコトは、ない。
来るもの拒まず、去るもの追わず。
正直言って、
マジになったオンナは、
高校の時付き合った彼女だけだった。
今までのオンナのことを忘れるくらい、
俺は、実さんを手に入れたいと思った。
俺のルックスと
強引さで
年上の実さんでも
簡単に落とせると思っていた。