「何言ってんだ?
 あいつらシニモノ狂いで来るぞ」

ナツは店長にそくされて車に乗った。

ヨースケがミキを見ると、警棒型のスタンガンをいつの間にか構えてる。

持ち手のところが太くなっていて、電池を増やして電圧を上げる改造がされてるのが判る。

「まだそんなの持ってたのか……」

ヨースケが苦笑する。

ミキと出会ったばかりの頃、ヨースケもそれ喰らったことがあった。

――あん時、ミキはスリがバレたと思って逃げてたンだっけ?

「ミキちゃん……」

店長は2人のわきまで車を進めて声をかける。

「早く行け!」

ミキがドアを蹴飛ばすと、店長は驚いて車を急発信させた。