軽く朝食を食べ、玄関に足を運ぶ。
そんな私の後ろをついて来る母。


出る前に振り返り

「いってきます」

一言残し、出ようとすると

「いってらっしゃい」

優しい母の声が聞こえた。


そんなやり取りにとても喜びを感じ、最初の頃の不安など、無くなっていて、


「‥‥あの人に似てきたわね‥。」

母が呟いた一言にさえ、気付かなかった。






「冬、おはよう!!」

「おはよう。」

朝から元気な要と歩いて学校に向かう。

星陵高校までは歩いて15分の距離。


だんだんと高校が視界に入ってきた。

「‥‥ねぇ要。もしかしてあれ?」

そう聞きたくなるほど、酷かった。

「んんっ?あぁ、間違いないな。」

要の言葉に、これからやっていけるのか、不安だった。