着信:要

ピッ――
「‥‥はい。」

「お前何してる?」
と聞かれた。後ろから騒がしい声が聞こえるから、きっとパーティー中なのだろう。

「公園」

「‥‥分かった。気をつけて帰れよ。」
と、要の申し訳なさそうな声がした。


変なの‥と不思議に思っていると、携帯の液晶に何かが降ってきた。



「‥‥あっ‥‥‥雪だ。」

今年初の雪。
ホワイトクリスマスイヴになった。

「雪?‥‥あぁ本当だな。まぁ、風邪引く前に帰れよ?あと‥‥‥‥‥誕生日おめでとう。」
携帯の向こうで微笑む要が想像できた。
それくらい優しい声だった。


「ありがと。それじゃあね。」

「あぁ‥またな。」


‥ピッ――と切って、再び鞄の中にしまった。



その時、後ろから足音が聞こえた。