お客さんも少なくなって行く中、私は店長に呼ばれた。
コンコン‥‥
と奥の店長の部屋のドアを叩いた。
「失礼します。どうしたんですか?」
何故呼ばれたのかも解らず、店長を見ていた。
「ヒナちゃん。今日は帰っていいよ。せっかくの誕生日だもんね。」
と白い歯を見せながら、ニカッと笑い、店長は言った。
「えっ‥でも、いつもより1時間も早いですよ‥‥?」
今は11時。普段は12時過ぎに上がる。
「いーのいーの。瞳さんにはもう言ってあるから。‥あと、はいっ!プレゼント♪」
とピンクの薔薇の花束を渡され、ほぼ強制的に帰らされた。
"どこにいこう‥‥"と考え、出てくるのはあの公園。
タクシーを拾い、公園に向かった。