あなたのコトはすぐ見つけられる。

あぁ。
“3年生”の山川君だ。

部活は違えど、あたしの先輩…。


あたしの目の前を凛々しく歩いていく。


何人もいる卒業生の中で一番
堂々と学校を巣立っていくように
見える。


あー。
通り過ぎて行ってしまった。

あたしの恋も終わったんだな…。


「美優、なにぼさっと突っ立ってんの?
 行くよ!」


彩芽があたしの手を引いて
走り出した。


「ちょっ。」

「見るのはあたしじゃないでしょ!!」


彩芽の言葉に後押しを受けて
横を見た。

山川君が、パラパラと立っている
在校生の隙間に見えた。


彩芽が足を止めたのは
ちょうど門の前だった。