本当に好きなのだったら、
もっとどんな手段を使ってでも…
って思うかも知れないけど、
今のあたしには、卒業式を
見送れただけで十分。


「本当に何もしなくていい?」

最終の確認を取るように
優乃先輩が聞いた。


「はい。大丈夫です。
 優乃先輩、わざわざ心配
 ありがとうございます。」


そうハッキリ答えた。


「いいよー。
 じゃあ、また後でね♪」


そう言って、他の友達の所に行った。


「ここで終わらせるコトに
 なるんだよ?」

彩芽の心配がヒシヒシと伝わってくる。


「本当にいいの。これで。
 ほらさ、こうして最後に卒業していく
 姿も見れたワケだし。
 もしかしたら、これが最後じゃない
 かもしれないじゃん?
 だって、サッカー部にたまに
 顔覗かせたりとかさ。」

「そうだけど…。」