「つまりさ、本気で好きになった人を忘れることは難しいんだよ。 桃ちゃんが好きになった葵さんも… 好きだった彼女のことが忘れられないように」 巳哉君の言葉にあたしは下を向いた。 「でも、桃ちゃんはあきらめちゃいけないよ。 忘れられない理由が相手にあったとしても、 桃ちゃんは無理に嫌いになろうとしなくていいんだよ」 『うん…』 あたしは小さくうなずいた。