「え………ッ!」

「なに?もしかして、
無自覚だったわけ…?」

驚きの色を見せながらも
面白そうな顔で私を見つめながら問いかけて来るお兄。

お兄が私を妹として見つめているのはわかってる。
私だってそう馬鹿じゃない。

だけれど………

好きな人に見つめられるのは…嬉しい。
それに…顔が赤くなるのがわかる。

多分…私は今、真っ赤になってるだろう。
胸のドキドキが…
お兄に聞こえるんじゃないかってくらい高鳴ってる。


「どうしたんだ?
顔、真っ赤だぞ…?
風邪でも引いたか…?」

そう言って私のオデコに自分のオデコをくっつけてきた。

「…うん、熱はないな。
ほら…家、帰るぞ?」

「………うん。」


久しぶりに、
お兄の隣に並んで二人で夕方の道を歩く。
私は…お兄の服の裾をギュッと握った。

「どうしたんだ(笑)?
甘えたくなったのか?」

茶化すかのように
言ってきたお兄…。
いつもならそこで…違うって言い返すけど…
今日は…なんでかな?
言えない。言えないよ……。