「…あなたのこと、呼んでる。何回も。ヒロ、ごめんって謝ってる…」

…もしかしたら涓は看護師か誰かにあたしの名前を聞いたに違いない。

ヒロの涓への不信感は今だ消えてなかった。

しかし、そんなヒロの気持ちには気付かず、涓は言葉を続ける。

「タカさんが、ヒロさんに渡したいものがあったって…」