「引越し先は?」

「それもなかなか見つからないの」

「そっか。俺もいろいろ聞いて回ってんだけど、今の時期引越し多いからいいところはもう決まってるみたいなんだ」

蛍はソファーに座る。

「そんないいところじゃなくていいよ。あたしが住むだけのスペースがあればいいの」

はい、と私は蛍にコーヒー渡す。