佐藤くんは、今目の前に、当時のハクチョウの姿が浮かんでいるんだろう、きっと。
そうやって話す佐藤くんは、少年のような瞳になっているから。
「そうなんだ〜。やっぱり」
「その姿が、かえって愛しくなっちゃってさ。
ああ、やっぱりみんな、陰で努力してるんだなぁって。
普通にみていたら、一見優雅なハクチョウもさ」
「いい話だねえ。でも私の漢字は、そんなんじゃないけどね(笑)」
「だから、白鳥さんも同じだなって思ってね」
「?」