いつもどおり、私は、会社で頑張っていた。雑用も仕事のうちだし、私は、全然嫌じゃない。
コピーもお茶くみも、どちらかと言えば好きなほう。お客さまに出したカップを給湯室で洗っていた。
「白鳥さん、これもいいかな?ごめんね」
「わかりました。置いといて下さい」湯呑みを持ってきたのは、男性の佐藤さんだった。
良いほうの佐藤さん。佐藤さんは、二人いる。
良いほうの佐藤さんと普通の佐藤さん。
ややこしいので名前で呼んでる人もいるけど、普通の佐藤さんにあまり、用事はなく、私が語るときは、何も言わなくても良いほうの佐藤さんに決まっている。
佐藤さんはみんなに優しい。