「たか子には、たか子の良さがあるんだよ、きっと。
小さい頃から家のお手伝いして、料理もやってたし、弟や妹の面倒みてるから優しいし」
おだやかに話す私を秋加は、驚いたのか黙ってる。
私だって驚いてる。
「でもさ、外見で判断しなかった彼もなんか見る目あるし、そういう人ってなんかあったかい感じがするね」
「…ねぇ、まどか。何か悪いもん食べた?」
「なによ、こんな素敵な感想を述べたんだから、せめて、何か良いもん食べた?って聞いてよね」
私たちは笑った。
私はそのとき心から笑えた。
いつも嫉妬ばかりしてたけど、私にもこんな寛大な、(私にとっては寛大と言っても過言ではない)心があったのが嬉しかった。