「どうしてこうなった」

彼は脳内で連呼していた。

彼は「プリクラマジック」というものの魔力をなめきっていた。

彼女はゴールデンタイムにテレビに出る素人芸人、それくらい垢抜けない、惨めさすら漂う雰囲気だった。

彼は必死に冷静になろうとした。

「まて、まあ落ち着け俺…大切なのは『立つかどうか』の見極めだ。抱くまでのアプローチはその次だ…」

彼女は林に対してまんざらでもない様子だ。

辺りはもう日が暮れ、ネオンの華やかな光は、人々の欲望が集まるのを今か今かと待ちわびている。