「――…、はぁ」

“会いたい”

そんな言葉が、唇から自然にこぼれ落ちていく。



ジャリッと、靴の裏が小石を鳴らした。



――と、同時に



黒く塗りつぶされた視界の中


その斜め上から落ちてくる
黒いカタマリ。


ポケットに入れていた手を、反射的に外気に晒していた。



猫か……?


いや、違う――。





「……危ね…っ」