――あーあ。 なんか本気で怒ったっぽい。 「そもそもさ…お前、美桜のこと気になってる訳?」 「お前…もう名前で――」 ピクッと眉がつり上がる。 だから、なんなんだよ……。 「向こうも名前、覚えてたみたいだし?ハンカチもちゃんと返したから」 「――なら、いい」 何がいいのか、俺にはさっぱり分からないまま…… 授業の開始を告げるチャイムが教室に響いた。