キスしたい―――。


また
そんな衝動に駆られそうになる。



そういえば……俺。


味見ながら作ってなかったから…どんな味なのか気になるな。




「――…美桜」

名前を呼ばれて、俺の方へと振り向く無防備な美桜。


カップを離れた途端の唇に口づけた。



口の中に広がるのは――


懐かしい

懐かしい


あの味と……


周りを漂う、桜の香り。