――『眠れないの?』 『……うん』 まだ小学生だった頃。 今思えば、俺って結構甘えんぼうだったのかな。 ――『これ、飲んでみて』 ほっこりと丸いカタチをした、 小さい白いカップ。 母さんが持つそのカップからは、湯気がホワホワと温かい息を吐き出していて。 風に揺られて香るのは―― やさしい やさしい 甘い香り。 『ホットミルク?』