もうすぐっ あの角の向こう側――― 気付けば、冷たい地面を蹴り上げる自分の足を…急かしていた。 「…――はぁ…ッ」 バッと、向こう側を振り返ると。 「ぐっ……」 頭にネクタイを巻き、酔いつぶれたおっさんが……うなだれているだけだった。 こんなにも、誰かの事を “知りたい”と思ったのは 初めてかもしれない――。