「お前んちのカクテルで……許してやるよ」 「……はぁ」 まぁ、最近は忙しかったからな。 家で飲むなんて事なかったし。 何が “許す”とか“許さない”だよ。 意味分かんねぇ、とか思いながらも 「フレンチアイスティー」 「……しょうがねぇな」 今日も、夜は長そうだ。 ネオンの光に照らされて、ふたつの大きな影が 灰色の地面を 黒く塗りつぶしていた。