「――なぁ、
さっきの“みお”って……」


どうやら、志月も
気が付いているようだった。


でもまだ、
確定した訳じゃない。



同じ名前、同じ呼び方……




         ―― Mio


ホンモノに出会える確率は
ほんの一握り。




今日も
あの日の同じように……


深い藍色に染まる空に、
ぽっかりと丸い月が浮かぶ。




月の回りだけ
空の色が僅かに照らされ……

深い藍色に優しい光が溶け込むように混ざり合い
柔らかな色に染まっていた。