「なんだよ、ひがんでんの?」
その後、なんだかんだ言ってくる志月を軽く受け流し
俺は勉強を始めた。
「…ちっ、涼しい顔しやがって」
俺が何も言い返さないからなのかその言葉を最後に
渋々勉強に取り掛かっていった。
図書館の帰り際、入り口のすぐそばのテーブルで見慣れない制服を見つけた。
「あれは、聖華じゃねぇなぁ」
俺の後ろで小さく呟くのは志月。
さっきまで嫌という程見てきた、埋め尽くされていた制服とは、明らかに違う。
「美桜、どうしたんだろ?」
「……遅いよね」
「でも、最近はずっと―――」
美桜、―――――?
……まさか。