その俺の視線に気が付いたのか、志月も後ろを振り返る。




「おわっ、やべ……っ」

目の前で顔を赤くする志月の過剰な反応に、

見てるこっちが恥ずかしくなる。




その子は
俺らの席の前で立ち止まると。





「…あのっ、これ……」

差し出された両手には、親指と人差し指で挟まれた小さいメモ。




はぁ―――…

決して、表情を顔に出さず…


俺は気付かれないように、小さなため息を吐き出す。








「……おい、てめぇのそういうとこがイラつくんだよ、ムダにモテやがって」