フワフワと遊ばせた髪を真上からパコンと潰すように叩くと、
「……おいっ、せっかくキメてんだから崩すんじゃねぇよ」
なんの為に来てんだよ、
コイツは。
――そう、
どのテーブルも、“聖華”と呼ばれる女子高の生徒で溢れかえっていた。
いろんな香水が混じり合った匂いに、本気で吐き気を感じる。
鼻をさす、強い匂い。
あの夜の香りを
一瞬忘れそうになって、すぐ顔を背けた。
とりあえず
髪の長いヤツを探してみるか。
空いてるテーブルを探しているフリをしながら、
くまなく視線を滑り込ませていった。
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