そう言えば、聞きたいことがひとつ。
「美桜?」
「なぁに?」
まだ慣れない布団の中、腕の中に帰ってきたネコに問いかける。
咲良さんは、どこを探しても、どこに電話しても見つからなかったって言ってた。
美桜はバイトをしてた訳じゃないからそんなにお金はないはず。
ホテルとかも無理だろう。
じゃあ……
「どこにいたの?」
「えっと……」
口をもごもごさせている美桜は、何か言いづらそう。
「俺に言えないこと?」
フツッと怒りがこみ上げる。
まさか――本当に体を差し出したなんてこと。
美桜の手首を掴んで、上から冷たい視線を送る。
もし本当にそうだったとしたら。