「もう……俺の前からいなくならないで」
「うん」
「絶対約束」
「うん」
俺の言葉に素直に頷いてくれる美桜に
心に何か温かいものが注ぎ込まれていくような
そんな安心感を覚えた。
懐いたネコには、首輪を。
運命の女には、約束を。
恋い焦がれる、衝動は止まることなく急上昇していく。
「指切り」
子供じみたことだって、分かってる。
でも、変わらない約束を、キミとしたいんだ。
“永遠”
を感じさせてくれる、約束。
「美桜の未来を、全部俺にちょうだい」
「私の将来を、未来に全て捧げます」
繋がる小指を、今確かに、ここに生まれた約束を。
ハチミツ色の月だけが、優しく照らしていたんだ。