「事故の原因を辿れば、すべては私のせいなの」
――あの事故は、元はといえば私が全部悪いの……。
「ごめん…な…さ……い」
小さく歪んだ瞳は、溢れる涙をせき止めるには小さ過ぎて。
透明なしずくが、頬を伝ってシーツに丸いシミを作っていく。
「謝らなくていい、美桜も……ましてや母さん、美桜のお父さん」
――誰も悪くない。誰も悪くないんだよ。
事故は、仕方がなかったんだ。
きっと、誰も、どうすることも出来なかった。
だから、美桜が責任を感じることはないんだよ。
たくさんの言葉をかけて、美桜の背中を優しくさすった。
「俺は――美桜がいない方が耐えられない。正直、辛かった」
……情けないな。
そう苦笑すると、美桜もポソッと小さい声で。
耳を澄まさないと聞こえない、それは小さなつぶやき。
「私も……苦しかった」
――ごめんなさい……。