「未来ー」 志月が帰った後、オヤジの呼ぶ声が聞こえた。 部屋にいた俺は、時計をチラリと見てから、1階へと降りた。 もう、 閉店時間の11時を回っていた。 もしかして ――新しく雇う人の事か? 随時前から…言っていたからな。 「……決まったんだ、ひとり」 ――ほら、ビンゴ。 「ふぅん」 対して興味がなさそうに返事をしたものの、正直に言えば……気にはなっていた。 「亡くなった旦那さんが、バーテンダーだったそうだ」