それでも俺は狂った

そう、まるで……“感情”が抜け落ちた操り人形のように。


遠くで俺の糸を引くアイツの卑屈な笑いが浮かんでも……


逆らうことは出来ずに、殴り続けた。




目の前に広がる木の残骸。

今誰が見ても、これがベッドだった、と言える者なんていないだろう。


そう思い、ハッとする。


どのくらい、俺はそうしていたのか。

美桜がなかなか帰って来ない。




「まさか……っ」

バスルームのドアを思い切り開ける。


熱気で蒸れた熱い空気

美桜の髪の香り


傷ついたネコの姿は――ない。



変わりにあったのは……