「美桜……っ」
ベッドの上、シーツにくるまったまま震える美桜に触れようとした時だった。
「触らないで……っ!」
涙が溢れた大きな瞳。
その裏側には、何を映しているのだろう。
「もう、私……っ」
カタカタと大きく震える肩は、美桜が俺に対して“拒絶”を表しているのが分かった。
「どうしてだよ……っ、アイツはよくて俺はダメなのかよ!」
――何で、どうして……
“俺のベッド”なんだよ。
この拒絶は、ふたりの“終わり”を示しているようで。
今、この瞬間入ったヒビはもうきっと元には戻らない。
頭の片隅で、緊急のサイレンが鳴り響いていて。
「美桜っ、俺は……」
――美桜がいないとダメなんだ。
だから俺のそばを離れないで。