全身が凍り付く感覚。


玄関に、美桜以外の靴なんてなかった。

だから――“アイツ”の存在を、一瞬でも忘れかけてて。



“自分の部屋”を勢いよく開けた瞬間だった。

自分の部屋一面に広がっていた足元に広がる深い闇。


ただ前だけしか見ていなかった俺は、一瞬で――落ちた。




俺のベッドの上に広がる光景。


裸の美桜の上に覆い被さっている男。


人を殺したい、と思ったのは初めてだった。