あまりにも志月がかわいそうに見えてきてしまい、美桜にストップをかける。



これによって、志月のバイキング恐怖症はしばらく続くことになったのだ。




「おいしかった」

「すごくよく食べたもんな」

「うんっ」


はふ……と、お腹を抱えた美桜。


「ね、志月」

「……そ、そうだな」

「……?」

あまり元気のない志月に首を傾ける。

どうやら、人を振り回す魔性のネコはどこまでも天然のよう。




「太った~!」

翌日、俺にすがりついてきたのはもちろん志月。


「食い過ぎなんだよ」

シラッとスルーする俺。

食べれないなら、ちゃんと断れよ……いくら相手が美桜でも。