口をあんぐり開いて、フリーズ状態。


「美桜さん、席に着きましょう」

担任が促した席は……



「……」

未だ、フリーズし続ける志月の隣の席。

志月の隣っていうのが、イラッとくるけど

まぁ、ここからだと美桜が良く見える。



美桜がチラッと後ろを向いて、ニコッと笑ってみせた。

懐いたネコの反則並みのアイコンタクトに、妙に高鳴る心臓を抑えるのに必死になってしまった。



今日は始業式ってこともあり、授業は午前中で終わり。

午前の授業のほとんどをフリーズしっぱなしだった志月も、今じゃピンピンしている。



「美桜チャン、俺……志「未来……っ」

志月が美桜に
遅すぎる自己紹介をしている途中

また怯えたような表情をしながら俺の後ろにササッと隠れてしまった。