しつこいな…… 美桜はそう簡単に渡さないから。 だって 俺のクリスマスプレゼントは ――コレ、だし? 「……ほらっ、美桜行くよ」 小さな手を包むと、地面を蹴るふたり分の音が路地裏に響く。 白いマフラーをなびかせながら走る美桜が視界の隅に映って…… 「……てんし」 「……え、?」 「ううん、なんでも」