「……美桜」 危ういその瞳が、やっと俺を捕らえる。 「――――飛べ」 アイツのところじゃなく 俺の腕の中に戻ってきて…… 美桜のすべてを 受け入れるから――… 開け放たれた窓の縁に、白い手が伸びる。 「おい……っ、ミオ」 そいつが、そう叫んだ時には 美桜の髪が夜空へ広がった時。 2階の窓から 俺の元へ落ちてくるのは。 冷たい瞳の裏側に 大きな秘密を隠す ……弱いネコ。