「……美桜ッ!」 さっきよりも声を張り上げると。 赤いカーテンの下から 白い手が現れ、弱々しく窓を叩く音が響いて。 ――ガラガラ 細くて長い、 美桜の腕とは明らかに違う “誰か”の手が鍵を外し 窓を開け放つ。 「誰?――オマエ」 青白い顔の男が、美桜の背後から現れる その冷え切った表情に、悪い悪寒が全身を這い回った。