「いない……のか?」

周りの家が、イルミネーションで飾られているからだろうか。


そこだけ切り取られたような
“違う”空間を感じさせる。



壁に並べられた窓には
やっぱり。


ひとつも明かりは灯っていない。




……と、その時




「美桜……ッ」


赤いカーテンで閉じられた2階の窓。


それが、僅かに揺れたのを――
俺の目は見逃さなかった。