「……ははっ」

自分の無力さに、笑いがこみ上げる。


何やってんだ、俺。



―――なんでもっと早く気が付かなかったんだろう。


さっきまで
こんな場所で待ち続けた俺に腹が立った。



クリスマスにひとり浮かれて
マジでバカみたいじゃん。



……美桜、今すぐ行くから。



もう少しだけ待ってて――?




「……ッ」


カップルで賑わう街をすり抜け、走る。

すれ違いざまに人にぶつかったってお構いなし。



走って

走って

は し っ て ――――




全力で向かう先は……