赤と緑のリボンで綺麗にラッピングされた袋を受け取ると
少し浮かれた気分のまま、店を出た。
「いいのあってよかったじゃん」
「……まぁな」
美桜は寒がりのくせに、
マフラーとか、手袋だとか――
そういうのを身に付けているのを見たことがない。
そのくせ、俺が抱き上げた時は決まってマフラーを握るんだ。
寒がりなネコ、美桜。
そういう些細な行為が、俺の胸をキュッと鷲掴んでいることを
――美桜は知らないだろ?
今ごろ……
どうしてるんだろうな。
ため息と共に吐き出される白い息が風に揺れて
――空に消えた。