「はぁぁぁ……」

重たい雲を抱えた空を眺めては、吐き出すため息。


「何なに!?ついに美桜チャンに、フラれたか」


はぁぁぁ……、マジうぜぇ。




「――違ぇよ」

「今、間あった」

「うっせ」



あの……

愛しいものを見るような
オヤジの瞳が

頭の中を何度でも
フラッシュバックしてくれる。




あれはかつて――
母さんを見ていた瞳の、色。





まさか……

恋なんて
し て な い よ な ――?