智と連がきゃあきゃあしてると、コツコツと足音が響いてくる。

にこにこだった智の顔が、ピタッと止まった。

「うふっ、さーとるくん。
みぃーつけた!!」

智「…こっちくんな。」

智がすごく嫌がっている女性の名前は魁乃(かいの)。
国語の教師だ。
ふわりでは、女教師の中で1番人気の先生である。
美人で優しい声、文句の付け所がない。
スキンシップ好きで、女教師が苦手な智は魁乃が大嫌いだ。

魁「智くん、ぎゅーってしてあげる!」

智「こっちくんな、こっちくんな。」

魁「先生、ぜひ一度智くんのことハグしたい!」

智「嫌だ、断る、却下。」

魁「全部同じ意味なんだけど?OKってこと?」

智「ぜってぇ嫌だから。」

智が後ずさってると、雅音が

雅「先生、リーダー嫌がってんじゃーん!!」

魁「雅音くん!?」

雅「そうでーす!先生、俺達のリーダーに手ぇ出さないでね〜!」

魁「わっ、わかってる!
またね、みなさん!」

風のように去って行った。

「すごいね〜!女の人って、みんなあぁなるんだ!」

全「…勘弁して。」

みんなぐったりとしている。

「ふふっ!」

連だけにこにこだった。