朝、連達は街を出た。

「いでよ、飛鳥。」

ポンッとカプセルの中から、大きな鳥が出て来る。

「連、おはよ。」

「おはよう、飛鳥。次の街に行こうか。」

「はいよ。」

飛鳥は翼を広げ、まだ少し薄暗い空へと飛び立つ。

「ねぇ、連。和架達に言わないの?旅の本当の目的。潤瀬とか、感づいてるんじゃないかな。」

「そーだねぇ。とりあえずは、自分探しの旅だからね。まず、色んな街に行って、色んな体験をしなくっちゃ。」

「ほんとにあんのかな。天使の称号って。」

「きっとあるよ。いつまでも、人間のままなんてダメでしょ?」

「空の住民って大変だよね。和架とか雅音とかは、何の種族なのかな?」

「何か空の中にある、特別な街の人だって。だから、カプセルの中から出て来たりするらしい。」

「じゃあ、天使なの?」

「天使の落ちこぼれ、なんだって。だから、まだ上手に自分の技を使う事が出来ない…とか。」

「翔なんて、すごく優秀じゃんか。落ちこぼれには、全然見えないよ?」

「いや…問題児らしいよ?まぁ、とりあえず。母様も父様もこうやって、一度は旅をしてるんだから、私も頑張らないと!」

「連も十分な落ちこぼれだけどね?」