「うんっ!」

5分後、連は泣き止んだ。

「んと、どこから話せばいいかなぁ…?」

潤「何で、旅にでたのかを知りたい。いい?」

「うん。
空では、天使がたくさんいるの知ってる?」

雅「知ってるよ。
連の母さんと父さんも天使だよね!」

「空ではね、大人は天使か堕天使しかいないの。

私はね、父様も母様も空では偉い人で天使だから、私も天使にならないと、父様達の顔に泥を塗ることになっちゃうの。」

和「あんたの母さん、そんなの気にしないでしょ。」

「私がヤなんだもん…。
でね、天使になるためには空から降りて、旅をして世間を知るの。
知って、自分が何のために生まれてきたかを理解して、それで天使になれるの。」

智「なるほど…。」

「私はね、空では落ちこぼれの方で天使より堕天使の方が似合うって、ずっと言われてきたの。
父様と母様はそんな事ないよ、っていつも励ましてくれたんだよ。

でも…ね、不安なんだぁ…。」

雅「どうして…?」

「だって、私…堕天使になっちゃうかもしれないんだよ…?
堕天使は、悪魔を綺麗に言っただけで…、天使の偽りなんだもん…。」