「智?何があったの?」

「…この街は、多分だけど…もうすぐなくなっちゃうんだ。」

「なくなっちゃう…?」

「うん。場所が悪いんだろうね、隣に大きな工場があって、毒ガスがもれてるんだよ。」

「え…。」

「空からも見えない森の中に、工場があるんだ。」

「じゃあ、王妃様の予言って…?」

「最初は、冗談半分だったんです。ですが、兵士達が私に嘘をつかせる事など出来ない…と。」

「王妃様、それは人のせいって言うんですよ?私達がどうしてここに、呼ばれたのかはわかりませんが、まだ死にたくありません。」

「おいらも。連、早く街から出よう。」

「うん!」

「待って下さい!街の者に…この事を言った方がいいか、あなた方に聞きたかったのです。」

二人共、王妃様に背を向けたまま、黙ってる。

「…私は、王妃様の考えが街の皆に一番嬉しい事だと思いますよ。」

「俺もです。じゃあ。」

ばたんっ。